こんにちは ねこの静六です
今日は私の職業である薬剤師の観点から、調剤薬局へ行く際に実践したい節約方法をご紹介します。
日本の医療費はどんどん増えています。
厚生労働省の発表によると
平成30年度の調剤医療費(電算処理分に限る。以下同様。)は7兆4,279億円(対前年度同期比(伸び率という。以下同じ)▲3.1%)で、処方箋1枚当たり調剤医療費は8,850円(▲3.7%)であった。
厚生労働省の調剤医療費の動向の概要より引用
と発表があり、平成29年度よりは少しへったものの、処方箋一回調剤薬局持っていくと平均で8850円も費用がかかっています。
日本には国民皆保険制度があるため、直接の自己負担は少なく感じるかもしれませんが、その他は社会保険料など国民から集めたお金で支払われています。
国の医療がこれからも持続可能であるために、医療費削減の為に知っていただけることは無いか?という観点で以下の5項目の節約方法を記載したいと思います。
- ITテクノロジーを積極的に取り入れている薬局を選ぶ
- お薬手帳を必ず持参して見せる。同じ薬局を利用する
- ジェネリック医薬品を利用する
- 飲み忘れの薬は調節する
- かかりつけ薬局は作ってもかかりつけ薬剤師は登録しなくてもよい
ITテクノロジーを積極的に取り入れている薬局を選ぶ
調剤薬局でのITとはなんだろうか?と思いますよね。目に見える部分と目に見えにくい部分があると思います。
目に見える部分としては
- 電子決済対応しているか?クレジットカード、paypay、楽天pay等
- スマートフォンで管理できる電子お薬手帳を交付しているか?
- スマートフォンを利用した処方箋受付を行っているか?
- ホームページがあるか?できればSNSもやっているか?
- オンライン服薬指導に対応しているか?
- 自動問診システム(ペッパー君が問診してくれるシステムも存在している)
目に見えにくい部分としては
- 画像認証や医薬品のバーコード、医薬品の重量を利用した調剤監査システム
- 電子データによる患者様の情報管理
- 自動調剤機器
- ITによる在庫管理システムを導入しているか?
といった所になります。
少なくとも目に見える部分のIT化に早く対応している薬局を利用しないと質の低いサービスを受けてしまう可能性が大きくなります。
目に見えにくい部分のIT化については処方箋受付の時に聞いても良いし、自信がある薬局は積極的に情報発信しています。目に見えるIT化を進めている会社は目に見えにくい部分もIT化していっている事が多いです。
以下は自動調剤、監査システムの例です。調剤薬局もこんなにも進んでいます。
お薬手帳を必ず持参して見せる。同じ薬局を利用する
調剤薬局で処方箋に基づくお薬をもらった際には薬剤服用歴管理指導料といわれる費用がかかりますが
●薬手帳を持って3か月以内に同じ薬局に行く場合は430円
●お薬手帳を作っていない、または3か月以内の再度の来局でない場合は570円
と費用が140円も変わります。ですので必ずお薬手帳は持参しましょう。もちろん電子お薬手帳でもOKですが、お薬手帳の内容を薬剤師は確認する必要があります。
ジェネリック医薬品を利用する
ジェネリック医薬品という言葉はもう知らない人がいない位に浸透していますが、まだまだ利用率を上げる余地はあります。
例えば2020.7月時点で血圧の薬でよく処方されるオルメテックOD錠20mg=1錠95.5円に対し、ジェネリック医薬品のオルメサルタンOD錠20mg「杏林」=21.6円と1錠あたり70円以上も安くなります。国の財政にも貢献出来て、自分も得になる。ジェネリックを使わない理由はほとんどありません。
ジェネリックが無かった薬も10年ほどでジェネリックが出てくる可能性があるので定期的にジェネリックが無いか確認しましょう
ただし、ジェネリック医薬品については安定供給できるメーカーの選別や効果に影響の無い添加物の違いなどあるので、薬剤師と相談の上一番コスパのよい方法を選択してください。添加物・製法も含めて先発医薬品と同等のオーソライズドジェネリックという選択肢もあります。
飲み忘れの薬は調節する
よく薬局に来られた患者さんが「薬余っているから減らしてほしい」とおっしゃる事があります。そんな時薬局から病院へ問い合わせ、薬の数を減らすことが出来ます。薬局で残薬の調節をした場合には重複投薬・相互作用等防止加算300円が患者さんの費用としてかかります。ですので可能であれば病院の診察時に医師に申し出て調節してもらうとこの費用はかかりません。
かかりつけ薬局は作ってもかかりつけ薬剤師は登録しなくてもよい
薬剤師の立場で言うのは正直微妙なのですがかかりつけ薬剤師の同意をお願いされることがあると思いますが、かかりつけ薬剤師による指導料は760円と先ほど述べた薬剤服用歴管理指導料(430円又は570円)に比べて高くなります。調剤薬局はかかりつけ薬剤師でなくても必要な説明、対応はきちんとします。薬剤師側にとってもデメリットが多い仕組みになっていると感じるのであえて書きました。
以上となります。
医療費が少しでも安くなって国の財政、個人の貯蓄にも貢献できればと思います
今日もありがとうございました。
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