地域連携のヒント。2025年の地域包括ケアシステムに薬局も乗り遅れないようにしよう!

在宅/居宅/地域連携

こんにちは ねこの静六です。

今日は調剤薬局による多職種連携の開拓について書きたいと思います。

2025年を目途とした地域包括ケアシステムの構築まで後3年余り

厚生労働省が推進する2025年を目途とした地域包括ケアシステムまで後3年余りになってきました。薬剤師を始めとする多職種が積極的に地域ケア会議などを通して包括ケアに参加し始めた第7期介護保険事業計画も来年度からは第8期へと移行します。

今まで地域ケア会議を通して見つかった数々の介護に対する課題や利用できる資源などの情報も第8期介護事業計画に反映されます。特に「地域包括ケア」に関してはPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)のPDCAサイクルを積極的に回しながら改善を重ねている熱いテーマです。

介護保険制度は、各年度のサービス需要の見込やそれを確保するための施策について、3年ごとに定める介護保険事業計画に基づき運営されています。

日々実験を行って地域包括ケアシステムを構築している今が輪の中に入るチャンス!

上の図は私自身もう頭に焼き付いてしまっている位色々な所で目にした図ですが、今まさにこういった仕組みとサービスを構築すべく試行錯誤が行われています。まだ輪の中に入れていない薬局の方は今の内に輪の中に入ってしまう事をお勧めします。それは

多職種の方とスムーズな意思疎通が出来る環境が無いといざ地域包括ケアシステムに参加しようと思っても何をすべきか?が見えてこないからです。

私が今まで参加してきて感じた理想の地域包括ケアシステムとは日々高齢者の方が利用するサービス、例えば病院・薬局・お買い物・デイサービスなどを利用する中でそのサービスだけでは解決できない問題が生じた場合に即座に連絡を取り合って解決出来る様サービスを提供できる仕組み作りだと感じています。

まだまだ実験している今の内に参加して失敗も経験しながら多職種に存在感を発揮できるようになれば2025年には中核的な立場になれると思います。

地域包括ケアシステムに参加=地域で存在感のある薬局になる事。

地域包括ケアシステムに参加といっても別に定められた業務があるわけでは無く、あくまでも自身の所属する地区(中学校区域内)で自身に出来るサービスを行う事ですので、地域貢献をしているポーズや自己満足だけではなく地域の多職種の方に存在感を発揮していくことが重要です。患者さんと向き合っているだけでは厳しいという事です。

地域の多職種の方に存在感を発揮していく方法
  1. 地域ケア会議に参加する
  2. 薬の飲み方や注意点などの多職種向けの勉強会を実施する
  3. 在宅医療・介護連携支援センターを利用する

といった所から始められれば良いかと思います。以下に参加方法を書いていきます。



地域ケア会議の参加はどのようにして行う?

地域ケア会議については過去のブログで何度か書いているのでそれを参考にしていただければと思いますが

  • すでに参加している薬局に参加希望の意思を伝え見学からでも参加する。
  • 地域包括支援センターに参加希望の意思を伝えて参加させてもらう。

というルートで参加できます。いくつかの薬局で持ち回りしている事が多いと思いますので、年数回程度ならそれほど負担にならず参加できると思います。

多職種向けの勉強会の実施

多職種の方と関わるようになるとわかってきますが、薬剤師が参加する意義は沢山あります。私は過去に病院や介護保険施設、サコージュ、看護師付きの老人ホームなどで勉強会をさせてもらったのですが

  • 粉砕や半分に割ったりしてはいけない薬を粉砕・分割して飲んでいる
  • ほとんど活動が無く寝たきりに近い患者さんがエビスタを服用されている
  • 自己管理が困難な患者さんの目薬や塗り薬が用法・用量通り使えていない
  • 食前のお薬も食後に一緒に飲んでいる
  • 睡眠剤を夕食後に飲ませている

といった施設での服薬の問題を目にする事もありました。薬剤師が介護の世界で薬の基礎的な知識を伝えたり、介護を楽にできる服用タイミングや薬剤選択をアドバイスする必要性はかなりあると思います。

各施設の研修会実施の実績にも貢献出来ますので、勉強会を薬剤師側から提案しても良いと思います。

各地域の在宅医療介護連携支援センターを利用する

在宅医療・介護連携支援センターは主に医師会が委託を受けて運営されているセンターです。

センターの目的は主に

高齢者の方が住み慣れた地域で安心して自分らしく生活していけるように、医療・介護に携わる方々の連携やサポートする、また、地域包括ケアシステムを構築する事を目的とされています。

薬剤師がこのセンターをあまり利用されていない事がもったいないと思っています。サービスに多少の地域差はあると思いますが私は主に自身の薬局で出来るサービスの情報を登録してもらい、依頼を受けたりできる環境作りをしました。

在宅医療介護連携支援センターの利用例
  • 居宅療養管理指導のサービス内容の提供:麻薬・褥瘡の対応は出来るがTPNは無理等
  • 市民や多職種向けに勉強会出来る内容
  • 在宅医やケアマネの紹介をしてもらう
  • 在宅に関する相談

等で利用しています。あまり経験が無いのに大きく参加する必要も無いと思いますので、自身の薬局の現状に合わせて相談してみても良い思います。

地域連携無しで薬局が生き残る事は困難な時代

  • 薬剤師の派遣や人材紹介
  • ジェネリック医薬品の製造販売
  • コンビニ併設調剤薬局
  • ドラッグストア併設調剤薬局
  • 医療モールの運営を行う調剤薬局
  • 零売を積極的に行っていく

など処方箋調剤以外の収益源を確保する方法もありますが、中小規模の調剤薬局ではなかなか難しい事も多いので、地域連携を深めて仕事を受ける窓口を積極的に広げる取り組みも大事だと思います。

話はそれますが、零売に関しては中小薬局も積極的に行いたいです。医師からは歓迎されないかもしれませんが、医療費削減にはとても貢献できます。零売できる調剤薬局こそセルフメディケーションにもっとも貢献できる職種だと私は思っています。

今日もありがとうございました。



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