こんにちは ねこの静六です
2020年6月17日より超速効型インスリン製剤ルムジェブが発売になりました。もう調剤されたことのある薬剤師の方もいらっしゃると思いますが、ヒューマログと同じインスリンリスプロ製剤です。違いについて書きたいと思います。
ルムジェブの開発目的は?
ルムジェブ注は健康な人のインスリン分泌により近いインスリン動態の再現を目指し開発された薬剤でヒューマログ注(一般名:インスリン リスプロ(遺伝子組換え))の有効成分に添加剤を加えることで皮下からの吸収を速め、日本人1型糖尿病患者さんにおいてヒューマログ注に比べて最高濃度の50%に達する時間を13分、曝露持続時間を88分短縮し、速やかなインスリン作用発現および消失を実現した薬剤です。
ルムジェブとヒューマログの違いは?
ルムジェブ
- 一般名 インスリンリスプロ
- 用法用量:通常成人に1回2~20単位を毎食事開始時(食事開始前2分以内又は必要な場合は食事開始後20分以内)
- 2021年5月末日までは14日処方制限
- 販売規格
ルムジェブ注ミリオペン
ルムジェブ注ミリオペンHD
ルムジェブ注カート
ルムジェブ注 100 単位/mL
ヒューマログ
- 一般名 インスリンリスプロ
- 用法用量:通常成人に1回2~20単位を毎食直前(食事開始前15分以内)
- 販売規格
ヒューマログ注ミリオペン
ヒューマログ注ミリオペンHD
ヒューマログ注カート
ヒューマログ注 100 単位/mL
その他副作用の頻度や最高インスリンリスプロの血中濃度などが異なります。さらに詳しいDIはメーカーのホームページで見てください。
一般名が同じであることがとても危険!
ルムジェブの方がヒューマログよりもより速く効果が発現するために投与タイミングが異なります。しかし一般名はどちらもインスリンリスプロと同じであるため
今までインスリンリスプロの一般名処方でヒューマログだったとしても、ルムジェブの登場でインスリンリスプロの選択肢が増えてしまったため、どちらかはっきりわかるように処方箋記載がない場合には疑義照会が必要になります。
新薬が登場するたびに注意すべき事項は増えていきます。しっかりと知識のアップデートして調剤過誤を防ぎたいですね。
今日もありがとうございました。
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