肥料の知識。冬の野菜栽培を液体肥料と固形肥料の栽培比較。収穫量アップに液体肥料は検討価値あり!

液体肥料・固形肥料 肥料の知識

こんにちは ねこの静六です。

今日は液体肥料と固形肥料による栽培比較の実験をしてみましたのでその結果をご紹介します。

冬になって気温が下がると野菜の成長がゆっくりになる

冬になって気温が下がると野菜の成長はゆっくりになります。何故でしょうか?

私が子供の頃の理科の授業では

  • 低温により作物の成長に欠かせない酵素の活性が落ちる
  • 日照時間が少なくなることによる光合成不足

といった理由を学んだと思います。

私が家庭菜園やガーデニングを始めて植物の育て方を勉強するうちにもう一つ低温による成長がゆっくりになる大事な要素を知りました。それは

気温が低くなると土壌中の肥料が溶けにくくなる為に肥料を吸収しにくくなる

という事です。

これも理科で考えれば普通にわかる事でしたが、肥料の勉強をするまで全く気に留めていなかったです。

土壌中の養分、チッソ(N)リン(P)カリウム(K)はイオンの形で植物の根から吸収される。

植物は3大養分元素【チッソ(N)、リン(P)、カリウム(K)】を下記の様なイオンの形で吸収します。

  • チッソ(N)はNO₃²⁻、NH₄⁺
  • リン(P)はPO₄³⁻
  • カリウム(K)はK⁺

イオンの形になるためには肥料成分が水に溶けている必要がありますが、気温が下がると溶解度(物質が溶媒に溶ける度合い)が下がってしまい、溶け残りが出来やすくなります。

イメージ図で見るとわかりやすいですが、温度が低いと肥料成分K⁺の濃度が低くなります。温度が高いと沢山溶けるのでK⁺の濃度が高くなり、同じ肥料の量でも温度の違いによって作物へ実際に供給できる量は異なるという事になります。

液肥と固形肥料の比較条件は?

比較に使用した作物と土づくり
  • 使用した種ほうれん草「冬ごのみ」
  • 種まきの2週間前に苦土石灰を1m²辺り150g~200g位の割合で散布し混和
  • 種まき1週間前に1m²当たり2kgの堆肥と、50g程度の化成肥料(チッソ、リン、カリ 8-8-8の場合)をよく混和。
  • 高さ10cmの畝を作り、条間15cmの間隔をあけて深さ1cmのまき溝を作る。
  • まき溝に1cm間隔で種まき

種まきまでは条件は全く同じ条件で行いました。

液体肥料VS固形肥料での栽培比較の経過観察

2020年10月15日左右に「冬ごのみ」真ん中に「次郎丸」の種まきをしました。


2020年11月8日1回目の間引き。ここまではまだ条件が同じなので成長も変わりありません。


2020年11月18日2回目の間引き時に追肥と中耕を行いました

追肥から条件を変更
  • 左側の「冬ごのみ」には液体肥料を追肥1g/㍑(葉面と株元散布)これから週1回のペースで施肥
  • 中央の「次郎丸」と右側の「冬ごのみ」の間に1㎡50gの化成肥料を追肥しました。こちらは1回だけの追肥です

11月25日。左側の冬ごのみに液体肥料を追肥1g/㍑しました。

左側の冬ごのみの方が右側の冬ごのみより少し成長が早い気がしますがまだ大きく変化はない様に感じます。真ん中の次郎丸だけ物凄く成長が早いです。左の液体肥料と右側の固形肥料のいいとこ取りになったのか又は品種が異なるためなのかもしれません。


12月3日左側の冬ごのみに液体肥料を追肥1g/㍑しました。

左側の冬ごのみ(液肥施肥)
右側の冬ごのみ(液肥無し)

左側の冬ごのみの方が大きくなってきています。


12月17日に同様に左側の冬好みに液肥を施肥して12月27日に3株ずつ収穫して重さを比較しました。

左側の冬ごのみ。3株で155g
右側の冬ごのみ。3株で120g

栽培比較の結果。液体肥料の追肥の方が収穫量が多かった!

  • 左側の「冬ごのみ」は1g/㍑の液体肥料を3回追肥➡3株で155g
  • 右側の「冬ごのみは」化成肥料1回の追肥➡3株で120g

今回は液体肥料で追肥した方が大きく成長する結果になりました。

液体肥料の方が成長が良かった要因としては、気温が低かったので固形肥料よりも硝酸態窒素を多く含む液体肥料の方が作物がよく吸収できる状況だったのではないかと思っています。また液体肥料は根だけでなく、葉面からも吸収できる事も良かったのではないかと思います。

今後も作物や時期を変えて実験したいと思っています。

作物の収穫量を増やす事に挑戦されている方には液体肥料での追肥も検討しても面白いと思います。

今回使用した液体肥料です。今までに液体肥料を色々と試してきましたが、プロフェッショナルハイポネックスに勝る液体肥料は見つかりません。N-P-K(20.20.20)の製品は冬場の冷たい水でもとても溶けやすく葉面散布と地面への散布で素晴らしい効果があります。微量要素もマグネシウム、ホウ素、マンガン、モリブデン、亜鉛、鉄、銅が含まれています。

湿気る事があるので購入したらしばらく使用する分だけ小瓶に入れて後は頻繁に袋を開けなくて良い様に保管する事をおすすめします。

今日もありがとうございました。

今までに育てた菜園野菜です。是非覗いてみて下さいね!

五十音順で並び替えも出来ます。

ブログ内菜園野菜と種まき時期一覧表

リンク先に各野菜の栽培方法・病害虫について書いています。是非覗いてみて下さいね!
〈種まき・球根植付け時期は〇〉〈苗の植付け時期は🔶〉
五十音順で並び替えも出来ます
作物名1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
エンドウ〇🔶🔶
オカワカメ
オクラ〇🔶🔶
カブ(聖護院カブ)
キュウリ〇🔶〇🔶〇🔶🔶🔶
茎ブロッコリー(スティックセニョーラ)〇🔶〇🔶〇🔶〇🔶〇🔶〇🔶🔶🔶
コールラビ
ゴーヤ🔶🔶
サトイモ
シカクマメ(四角豆)〇🔶〇🔶
ジャガイモ
シュンギク(春菊)
ダイコン(大根)
チンゲン菜
トマト・ミニトマト〇🔶🔶
ニンジン(人参)
ネギ(九条ネギ)
パセリ
ピーマン🔶🔶🔶
ホウレン草
ミツバ
ヤマイモ(自然薯)、ムカゴ(零余子)
ラッキョウ
ルッコラ(ロケット)
ローズマリー
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