こんにちは ねこの静六です。
今日は野菜の甘みを増やすというテーマで書きたいと思います。
甘みって野菜に限らず魅力的な言葉です!
野菜の甘みの元は糖質!
野菜の甘みは果糖・ショ糖・ブドウ糖といった糖質です。
植物は空気中の二酸化炭素を利用して葉で光合成を行い、でんぷんを作ります。そのでんぷんが果糖やショ糖、ブドウ糖に変わる事で甘みが出てきます。
植物の光合成がスムーズに行える状態である事が甘みを作る為に重要な事だと言えると思います。
糖質を作り出す光合成に必要な要素は主に6つ
以下に光合成に必要な要素を挙げてみました。
光
光合成の言葉通り光の力はとても大事です。
植物の光合成は明反応と暗反応の二つの工程に分かれます。(以下にざっくりと書きます)
光が強くなると明反応が加速されますが光を必要とされない暗反応は加速されません。
明反応と暗反応はバランスが大切です。過剰すぎる明反応で出来たエネルギーは熱や活性酸素となって光合成機構を傷める原因ともなります。
水
水は先ほどの明反応を行う際に必要な原料です。根からの水分吸収が必要であると共に、湿気による水分も大切です。空気の過度の乾燥は葉からの蒸散を防ぐために気孔を閉じてしまい、気孔からCO₂(二酸化炭素)が吸収できず、暗反応が出来なくなります。
二酸化炭素
ここまで何度も出てきているので、二酸化炭素の役割はわかると思います。二酸化炭素は暗反応で糖を作る際に必要な材料です。
ハウス栽培や、路地でのトンネル栽培では密室での光合成となるため、時に外気よりも二酸化炭素濃度が低くなる事があります。そういった場合の二酸化炭素の補給目的、又はうどんこ病や灰色カビ病の治療薬として使用される農薬(肥料)があります。
それは炭酸水素カリウム(重炭酸カリウム)です。
商品名としては
- 農薬として販売されているカリグリーン
- 肥料としてカーボリッチ
などがあります。
有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能なうどんこ病や灰カビ病の治療に使うカリグリーンは(炭酸水素カリウム=重炭酸カリウム)ですのでカリウム肥料としての効果もあります。
カリウム(K)は植物内の栄養を運ぶトラックとしての役割や気孔の開閉、細胞の浸透圧の調整、糖やアミノ酸からでんぷん、たんぱく質を合成する働きにも関わる重要な肥料成分です。
葉は光合成工場を建設するための土地の様な存在
葉は光合成に欠かせない葉緑体や、気孔などを配置するための言わば土地のような存在です。葉が多い方が光合成は促進します。葉の影響はとても大きくて、植物の剪定等で葉を減らすと顕著に根から吸収する水分量が減る事がわかります。
葉を十分育てるためには肥料成分の窒素(N)が重要な役割を果たします。
葉緑体の中心に存在するのはMg(苦土)。欠乏しないように補給が必要
光合成に欠かせない葉緑体の中心にはMg(苦土)が存在しています。Mg(苦土)が十分足りていると葉は良い緑色になります。また、Mg(苦土)は植物体内の色々な酵素の活性にも大事な役割を果たします。
Mg(苦土)の補給には土壌に苦土を含む肥料を施肥したり、苦土石灰を水で溶いた上澄み液を葉面散布するなどの方法でも補給する事が出来ます。
光合成(葉緑素)に不可欠な微量要素 (Fe:鉄、Mn:マンガン、Zn:亜鉛、Cu:銅、Cl:塩素)
マグネシウムほどの積極的な施肥は必要ありませんが、他にも光合成(葉緑素)に不可欠な微量要素が存在します。以下に微量要素名と主な役割を記載しました。
光合成(葉緑素)に不可欠な微量要素 | 主な役割 |
---|---|
Fe:鉄 | 葉緑素の合成や光合成反応に関わる酵素の構成成分 |
Mn:マンガン | 葉緑素の生成、光合成、酵素活性、ビタミンCの合成に関与 |
Zn:亜鉛 | 葉緑素の形成や植物ホルモン(オーキシン)の調整に関与 |
Cu:銅 | 葉緑素の形成や植物内での酸化還元酵素の構成成分として呼吸に関与 |
Cl:塩素 | 植物体内で光合成の明反応に関わり、酸素放出反応に関与 |
微量要素はカキ殻石灰やようリン等、微量要素を含む肥料を使った土づくりをする事で補給できます。私はその他に、「プロフェッショナルハイポネックス」という液体肥料を使用して窒素・リン・カリと共に微量要素の補給をしています。
プロフェッショナルハイポネックスについては以下の記事に詳しく記載しています。興味がありましたら是非覗いてみてくださいね。
光合成をサクッと知って適切なケアをしてあげよう
野菜を甘く為に光合成が必要という話からかなり沢山書いてしまいました。今回挙げたの要素は一つでも滞ればスムーズに光合成が進みません。うまく関係しあっている所が面白いと思います。
野菜の栽培に何かヒントになる情報があれば幸いです。
今日もありがとうございました。
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