こんにちは ねこの静六です。
今日はゴーヤの栽培について書きたいと思います。
ゴーヤはあの独特の苦みが好きな人にはたまりません。私もとても好きです。最近はサラダやゴーヤチャンプルだけでなく、ゴーヤをわたや種が入ったまま厚さ5㎜に輪切りにして天ぷらにして食べる事にハマっています。苦みも和らぎ種もわたも美味しく食べられますよ!
ウリ科の作物では病害虫にも強くとても育てやすい野菜です。
栽培するにあたって調べた基礎的な情報や私の栽培手順、使用できる農薬について書いています。栽培経過や栽培のコツなど、新たに発見した事も随時加筆しています。よろしくお願いします。
ゴーヤの植物としての特徴
植物としての特徴
- 科名属名:ウリ科 ツルレイシ属
- 原産地:熱帯アジア、東インド
- 発芽適温:25℃~30℃
- 生育適温:20℃~30℃
- 栽培のスタート:タネ・苗
- 草丈:3m以上のツルになる
- 耐寒性:弱い
- 耐暑性:強い
- 土壌:中性~弱アルカリ性(PH6.5~7.5)
- 日照条件:日なた
- 水やり:土の表面が乾いたらたっぷり水をあげる
- 種まき期:3月下旬~4月(種からの育苗期間は45日~55日程)
- 植えつけ期:5月~6月中旬(遅霜の恐れが無くなってから植えつける)
- 収穫期:7月~9月
- 苗の植えつけから収穫までの期間:60日程度
- 開花から収穫までの期間:3週間程度
- 連作障害:あり。ウリ科の野菜を植えた畑では2年空ける
- その他:長い品種のゴーヤで35cm、短い品種のゴーヤで20cm位の大きさになる
苗からの栽培がおススメ!
種まきからの育苗は保温管理(25℃~30℃位)が必要です。家庭菜園の場合、5月中旬頃からホームセンターなどで販売される苗から育てるのがおススメです。道の駅などでは50円位で苗が売っている事もありますよ。
ゴーヤの薬膳としての特徴
薬膳としての特徴
- 性質:寒 (熱・温・平・涼・寒の5段階)
- 体に効く場所:心・脾
- 働き:体の熱を冷ます。炎症を鎮める。目の疲れを回復させる。
- 利用目的:体のほてり。夏バテの改善と予防。目の充血。ニキビなどの炎症性の皮膚炎
ゴーヤ栽培で注意したい主な害虫・病気
ゴーヤには主に以下の様が病害虫が報告されていますが、私が栽培した経験では病害虫はかなり少ないです。葉も茎もゴーヤ特有の香りがするからかもしれません。
主な害虫
- アザミウマ
- アブラムシ
- コナジラミ
- ハダニ
- タバコガ
- ヨトウムシ
害虫・病気に対応する薬剤
ゴーヤは病害虫に比較的強いので農薬無しで栽培を始めても良いと思います。私が育てる上で注意している病害虫はアブラムシ、コナジラミ、ヨトウムシ、うどんこ病、べと病です。農薬を使用する場合は以下の様なプランを私は検討しました。
- 苗の定植時:コナジラミ対策としてアルバリン粒剤使用(ついでにアブラムシ、アザミウマ類の対策にもなります)
- 苗の定植時とヨトウムシ発生時:ゼンターリ顆粒水和剤の使用
- 定植数日後とその後4週間に1回程度Zボルドー使用(べと病、うどんこ病対策)
上記の処置を行い、それでも薬剤が必要な病害虫が発生した場合には、アーリーセーフ、カリグリーン、トレボン乳剤の中から使用する予定です。
準備した害虫用農薬
害虫用農薬
ゼンターリ顆粒水和剤
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ゼンターリ顆粒水和剤はBT剤と呼ばれる種類の農薬です。添付の説明書通りの水に溶解して使用します。BT剤は自然界にいるバチルス チューリンゲンシスという微生物が作る成分をチョウ目害虫が食べる事で毒性を発揮します。
ゼンターリ顆粒水和剤の特徴
- 野菜類・果樹類・いも類・豆類に収穫前日まで使用可能
- JAS法に基づく有機農産物生産にも使用できる
- BT剤の中でも適用害虫が多い
- 散布後、害虫が退治されるまでは時間を要しますが、食害は直ちに止まるため被害防止に役立ちます。効果はハスモンヨトウ(無降雨条件)で約1~2週間持続
- 使用に当たっては展着剤を加用した方が良い
有機農産物生産にも使用できる農薬ですがアオムシ、オオタバコガ、ヨトウムシ、コナガ、メイガなどによく効きます。
ゼンターリ顆粒水和剤については以前記事に詳しく書きました。興味がある方は覗いてみてくださいね。
アーリーセーフ
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アーリーセーフは天然物(ヤシ油)由来の脂肪酸グリセリドが有効成分です。野菜類やハーブのハダニ、アブラムシ、コナジラミ、うどんこ病の防除使用できます。
アーリーセーフの特徴
- 有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能です
- 収穫前日まで使用できるので、家庭菜園での使用に便利です
アーリーセーフは薬液で害虫を溺れさすような効き方をする薬剤なので葉裏等に散布むらを生じないように丁寧に散布する必要があります。
アルバリン粒剤
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アルバリン粒剤の特徴
- 成分名はジノテフラン
- ネオニコチノイド系の薬剤(昆虫神経のシナプス後膜のニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、神経伝達を攪乱することで殺虫活性を示す)
- ワタアブラムシ、コナジラミ、ハモグリバエ、ミナミキイロアザミウマ、キスジノミハムシ、カメムシなど幅広い害虫に効果がある。
- 使用できる作物が多い
- 薬剤のニオイが無い
- 高い浸透移行性があり、速効性、残効性に優れている
アブラムシやコナジラミはもちろん、適用はありませんがウリ類に発生しやすいウリハムシに対してもとても効果がありました。
トレボン乳剤
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トレボン乳剤の特徴
- ピレスロイド系の薬剤で成分名はエトフェンプロックス。
- アブラムシ、アオムシ、コナガ、ヨトウムシ、メイガ等幅広い害虫に有効。
- 速効的で長い残効性を持っている。
- 人畜に低毒性で皮膚、粘膜の刺激性が比較的少なく、各種作物に対して薬害が出にくい。
- 説明書通り水で希釈するだけなので調整が楽でコストパフォーマンスが良いです
トレボン乳剤を使用した私の感想
ピレスロイド系農薬はベニカベジフル乳剤をメインで私は使用しています。理由は葉物野菜にも広く適用があるためです。ただ、ベニカベジフル乳剤についてはゴーヤ(ニガウリ)の適用が無いため、トレボン乳剤を必要時は使用します。トレボン乳剤も適用作物が多く、イモムシ系の害虫に対する効果はベニカベジフル乳剤より効果的だと感じます。
準備した病気用農薬
病気用農薬
Zボルドー水和剤
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Zボルドーは銅殺菌剤で 徐々に放出される銅イオンにより、 作物を糸状菌病害や細菌性病害から保護します。また、日本農林規格(JAS)の有機農産物栽培においても使用可能。
Zボルドーについては以前記事に詳しく書きました。興味がある方は覗いてみてくださいね。
カリグリーン
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カリグリーンは日本農林規格(JAS)の有機農産物栽培においても使用可能な農薬で、カリウム肥料として利用したり、ビニールハウスでは炭酸ガス効果を期待して利用したりもします。
カリグリーンの特徴
- 有効成分は炭酸水素カリウム(重炭酸カリウム)
- うどん粉病や灰色カビ病、さび病に効果がある
- 作物の収穫前日まで使用でき、使用回数制限がない
- カリウム肥料としても登録がある
- 有機農産物の日本農林規格(有機JAS)に適合している
- 野菜類として登録があり適用作物が多い
- 展着剤とともに使用する
展着剤
展着剤
ダイン
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植物の葉っぱにはワックス成分のようなものがついているため、単純に水分を吹きかけてもはじいてしまいます。そのため界面活性剤の入った展着剤を「展着剤の加用が望ましい」と説明書に記載されている農薬で使用します。広めの家庭菜園をする場合には農薬単体と展着剤を別々に購入した方がコストはかなり安くつきます。
農薬はよく説明書を読んで使用しましょう!
ゴーヤの栽培手順
私が行ったゴーヤの栽培手順です。今回は苗を購入しました。サントリーの本気野菜シリーズは少し値段は高めですが、育てやすく沢山収穫出来る様に改良されているものが多くおススメです。今回購入した「ごろごろゴーヤ」は摘心をしなくてもよい苗で実も沢山出来る品種です。
サントリーの本気野菜が面白い
野菜の苗を買う時期になると私はサントリーのHPで苗をチェックします。色、味、耐病性など色んな特徴を持った苗が載っているので面白いですよ!下にリンクを貼っています。興味がある方は一度見てみてくださいね。
土づくりと苗の植えつけ
土づくり
- 苗植付けの2週間前に苦土石灰100g/㎡を入れて耕す(至適PH6.5~7.5)
- 1週間前に堆肥4Kg/㎡と有機入り化成肥料(N:K:P=8:8:8)150g/㎡を入れてよく耕す。(全面施肥の場合)
- 幅60㎝、高さ10㎝の畝を立てる
苗の植えつけ
- ポット苗の土にたっぷりと水を吸わせる。
- 株間100cmで植穴をあける。
- ポットから苗を外して植穴に入れ、土を戻して株元を軽く押さえる。
- 支柱を立ててひもで誘引する。210cmの支柱を使って丈夫な合掌作りにし、誘引が楽に出来る様にネットを張りました。
5月4日の植えつけ時アルバリン粒剤、ゼンターリ顆粒水和剤を使用しました。
5月6日にZボルドーを散布しました。(本当は定植後4日ほど散布せずに様子を見たかったですが、今後雨が続く予報なので散布しました。)
ゴーヤの摘心・整枝
私が今回栽培した「ごろごろゴーヤ」は親づるにもよく実がなるため摘心をしなくても良いのですが、ゴーヤは一般的に実のできる雌花が子づるや孫づるに付きやすい傾向があります。そのため、親づるの本葉下から5~6枚目位で摘心をして子づるや孫づるを育てると収量が増えます。
摘心後に出てきた子づる、孫づるは混み合い過ぎていれば少し剪定して整える程度で大丈夫です。
追肥
追肥は2週間に1回有機入り化成肥料(N:K:P=8:8:8)30g程度を株元周辺に撒き、中耕と土寄せをします。
ゴーヤの花と受粉
ゴーヤの花が咲き始めたらいよいよ実に期待したいところですが、ゴーヤの花はしばらくの期間は雄花ばかりが咲き続け、遅れて雌花が所々に咲き始めるような感じで成長します。
人工授粉がより確実!
自然に任せてもある程度受粉出来ますが、家庭菜園の場合は朝に雄花と雌花を見つけて人工授粉させてあげるとより確実に結実します。人工授粉させる場合は雄花をカットして花粉のついている中心部分をめしべに付けてあげると簡単に出来ます。
ゴーヤの収穫
ゴーヤの収穫は開花から3週間程度で長い品種のゴーヤで35cm、短い品種のゴーヤで20cm位で収穫します。何の野菜でもそうですが、実を成長させすぎると株に負担がかかるので、早めに収穫するのが良いと思います。
収穫し忘れに注意!
ゴーヤは突然、緑の実が黄色くなってハゼてしまう事があります。私自身、家庭菜園で頻繁に見ながら実を大きくなるのを待っていたのですが、ある日の朝確認すると黄色くなって割れてしまってました。熟れた中の赤い実も食べられるのですが、私はやっぱり未熟な緑のゴーヤが好きです。
夏バテにも効果が期待できるゴーヤ。沢山食べて暑い夏を乗り切りましょう!
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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