こんにちは ねこの静六です。
今回は家庭菜園でも有名なピレスロイド様殺虫剤の農薬トレボン乳剤について書きたいと思います。トレボン乳剤は稲作で有名な薬剤ですが、アオムシ、メイガ、コナジラミにもよく効く印象があります。私はピレスロイド殺虫剤はベニカベジフル乳剤をメインで使用しているのでブログ記事に書くタイミングがなかなか無かったのですが、実エンドウやダイコンにはベニカベジフル乳剤よりも収穫に近い日でも使用できる事もあって購入しました。使ってみた印象など書きたいと思います。
トレボン乳剤の基礎情報
有効成分 | エトフェンプロックス 20.0% |
性状 | 淡黄色澄明可乳化油状液体 |
規格 | 100㎖、500㎖ |
安全データ | 三井化学アグロ株式会社の製品安全データシート |
殺虫剤の系統 | ピレスロイド様 |
使用方法 | 規定の希釈倍数に水で薄めて使用 |
トレボン乳剤を自分で希釈した方がコストはかなり安くつきますが、トレボン乳剤と同じエトフェンプロックスを有効成分とする既製品スプレー剤として「アースガーデン 葉を食べる虫退治」が販売されています。
トレボン乳剤の有効成分エトフェンプロックスとは?
有効成分のエトフェンプロックスについては三井化学アグロの公式HPに以下の様な特徴が書かれています。
三井化学株式会社が開発した、炭素、水素及び酸素だけからなり、エーテル結合を有する特異的な化学構造のピレスロイド様殺虫剤であります。エトフェンプロックス水性乳剤の作用機作は従来のピレスロイドと同様でありますが、温血動物に対し毒性が低く、皮膚、粘膜に対する刺激性が低く、しかも魚毒性が低いなどの特徴があるため、中央薬事審議会でピレスロイド様殺虫剤と決定されました。
文書引用先:三井化学アグロ株式会社
難しく書かれていますが、害虫に対する選択毒性が高いという事ですね。
トレボン乳剤の家庭菜園での実用性、利点・欠点について
始めにも書かせていただいたのですが、私は普段トレボン乳剤ではなく同じ殺虫剤の系統であるベニカベジフル乳剤(有効成分:ペルメトリン)を使用しています。ベニカベジフル乳剤よりもトレボン乳剤が家庭菜園レベルで感じる利点・欠点について書いていきます。あくまでも私見です!
ベニカベジフル乳剤と比較したトレボン乳剤の適用上の利点・欠点
家庭菜園で人気のある野菜の中からピックアップして利点・欠点を比較してみました。
トレボン乳剤の利点 | トレボン乳剤の欠点 | |
---|---|---|
使用可能な時期 | ダイコン(収穫21日前まで) 実エンドウ(収穫前日まで) ベニカベジフル乳剤の ダイコン(収穫30日前まで) 実エンドウ(収穫14日前) よりも収穫に近い日でも使用できる | 特別無し |
適用作物 | ゴーヤ、ショウガ、セリ モロヘイヤ、ミツバにも使用可 (ベニカベジフル乳剤には適用なし) | ミニトマト、シュンギク ホウレンソウ、非結球あぶらな科葉菜類 ズッキーニ、いちご等 に適用なし (ベニカベジフル乳剤には適用あり) |
トレボン乳剤の家庭菜園での実用性を考える上でミニトマトやシュンギク、ホウレンソウ、非結球あぶらな科葉菜類といった人気野菜への適用が無い事が欠点だと感じます。
ゴーヤに関してはトレボン乳剤に適用があり、利点だと言えますが、ベニカベジフル乳剤と同じ有効成分の高濃度製品であるアディオン乳剤にはゴーヤに適用があります。ただし、アディオン乳剤は濃度が濃い分1本あたりの価格が高い事と希釈倍数が大きいので家庭菜園で使う量で調整するには誤差が出やすい問題があります。
トレボン乳剤とベニカベジフル乳剤の効果の違いは?
効果の違いは私が実際に使用した個人的感想として書かせていただきます。
トレボン乳剤とベニカベジフル乳剤ともに蚊取り線香と同じピレスロイドに属する農薬なので、害虫の忌避(虫を寄せ付けない)効果が期待できます。
アオムシやヨトウムシ、メイガ等のチョウ目に対してはトレボン乳剤の方がベニカベジフル乳剤よりもとてもよく効きます。
ウリハムシ、アブラムシ、カメムシに対してはチョウ目ほどの効果を感じられませんが、ベニカベジフル乳剤と同程度の効果は十分にあると思います。
アザミウマ類に関してはトレボン乳剤、ベニカベジフル乳剤ともに効果は同程度で弱いです。(私が使用した限りでは正直あまり効かない印象)アザミウマ類にはスピノシン系のディアナSCやネオニコチノイド系のアルバリンがよく効きます。
トレボン乳剤のまとめ
ここまでトレボン乳剤とベニカベジフル乳剤の比較をメインに書いてきました。
私がピレスロイド系の薬剤をどちらか一つ選ぶのであれば適用作物・適用害虫のより多い、ベニカベジフル乳剤を選びます。ただし、チョウ目科害虫への速効的な効果やベニカベジフル乳剤が使用できない時期、ゴーヤ、セリ科作物の栽培時などトレボン乳剤を選択したい場面もあります。
農薬の知識を高め、説明書の用法・用量をきちんと守る事で使用を最小限に抑え最大の効果が出せると思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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