病害虫の知識。とうもろこしの大害虫アワノメイガの対策と効果のある薬剤

アワノメイガ 農薬の知識

こんにちは ねこの静六です。

今回はとうもろこしに深刻な被害をもたらす害虫、アワノメイガの特徴と私が使用して効果の高いと感じる農薬について紹介します。アワという名前が付く位、イネ科の植物を好んで食害します。

雄穂が見え始め、これからとうもろこしの成長が楽しみになる時期にちょうどアワノメイガの被害が始まるため、早めの対策が必要になります。

アワノメイガの特徴

撮影日:2022年6月23日
分類鱗翅目りんしもくメイガ科(蝶や蛾の仲間)

画像はアワノメイガの成虫
被害作物   トウモロコシ、ショウガ、キビ、アワ、ヒエなど
形態被害をもたらすのは幼虫体
頭部はあずき色、胴部は薄い赤茶色
体長は2~3cm程度
生態発生時期:4月~10月に数回発生
被害茎部:茎と葉の付け根から侵入し、隋を食害する。食害されると成長が遅くなったり、簡単に折れたりする
雄穂:出穂直前から食入され始める。食入されると穂は開花しない事もある
子実:実を包む皮が食い破られ、未熟粒が食害される

アワノメイガに効果のある農薬

農薬紹介の前に、食用とするとうもろこしに農薬を使用する際に注意したい事があります。

それは、とうもろこしは農薬登録上の作物名と分類が収穫のタイミングで下図のように変わり、それぞれに対応する農薬を使用する必要があるという事です。

食用とうもろこし
農薬登録上の作物名と分類
未成熟とうもろこし
(穀類)
スイートコーン等、種実だけを食用とするある程度熟した生食用のとうもろこし
とうもろこし(子実)
穀類
ポップコーン等、種実が硬くなってから収穫利用するもの
とうもろこし
穀類
「未成熟とうもろこし」と「うもろこし(子実)」を包括した作物名
2022年7月22日現在の情報に基づく記載

未成熟とうもろこしやとうもろこし(子実)が穀類の中の作物に分類されるのに対し、ヤングコーンは野菜類の中の作物の一つと言う扱いになります。

食用とうもろこし
農薬登録上の作物名と分類
ヤングコーン
野菜類
幼果を芯ごと食べるもの
2022年7月22日現在の情報に基づく記載

以上の点を踏まえ、私は以下2つの農薬を使用しています。(効果や適用害虫・適用作物の多さなど、私の個人的な使用感から選んでいます)

ゼンターリ顆粒水和剤

ゼンターリ顆粒水和剤はとうもろこしに対してオオタバコガにしか適用を持っていません。しかし、オオタバコガにゼンターリ顆粒水和剤を使用していると、アワノメイガも一緒に防除できてしまうというのが私の使用した感想です。ですので、あくまでもオオタバコガの防除と言う目的でゼンターリを顆粒水和剤を使用し、一緒にアワノメイガも防除出来たらラッキーというイメージで使用しています。ゼンターリ顆粒水和剤はとうもろこし・野菜類に適用を持つため未成熟とうもろこし、とうもろこし(子実)、ヤングコーンのいずれにも収穫前日まで使用する事が出来ます。

ゼンターリ顆粒水和剤使用のポイント

ゼンターリ顆粒水和剤は植物体内への効果は期待できない為、とうもろこしの場合、雄穂が出る前から定期的に使用する事で害虫を植物体内へ侵入を防ぐことが期待できます。JAS法に基づく有機農産物生産にも使用でき、使用回数に制限も無く、使い勝手の良い薬剤です。

ゼンターリ顆粒水和剤については以下のブログで詳しく紹介しています。興味のある方は覗いてみてくださいね。

トレボン乳剤

トレボン乳剤は広い範囲の害虫と作物に適用を持つ薬剤で、とうもろこしに対してはアワノメイガとアワヨトウの適用を持ち、収穫7日前まで4回以内で使用できます。速効性と残効性に優れているので、とうもろこしの茎に穴が開けられるなど、アワノメイガの被害が出てからでも効果が期待できます。私が今年アワノメイガの被害に遭った時にもトレボン乳剤を使用しました。ただし、ヤングコーン又は野菜類には適用を持たないため、ヤングコーンを収穫する場合には使用できません!

トレボン乳剤については以下のブログで詳しく紹介しています。興味のある方は覗いてみてくださいね。

農薬を使用しないアワノメイガ対策

私は農薬の使用を最小限にする為に、以下の様な農薬を使用しないアワノメイガ対策も一緒に行っています。

アワノメイガを忌避するマメ科植物をコンパニオンプランツとして植える
撮影日:2022年6月20日

マメ科植物はアワノメイガを忌避する効果があったり、根粒菌による窒素供給効果があるので、肥料食いのトウモロコシと相性が良い作物と言われています。

私もつるなしインゲンをコンパニオンプランツとして植えていますが、つるなしインゲンはあまり高く成長しない事もあり、アワノメイガの被害はやはり出てしまいます。アワノメイガの忌避効果を期待する場合は、つるありインゲンをトウモロコシの株間に種まきし、トウモロコシの茎を支柱代わりに絡みつかせ伸ばす方法を利用する方法がより良いと思います。

受粉が終われば早めに雄穂を切り取る

アワノメイガはトウモロコシの花粉に誘引されるので、受粉が終われば早めに雄穂を切り取る事も良いと言われています。ただ、あまり調子よく切りすぎると雌穂が出た時に受粉できる雄穂が無くなるので成長具合を見ながらの対応になります。

受粉後の雌穂にネットなどを掛けてカバーする

100均で売っている排水溝ネットや水切りネット、又はホームセンターで販売されている栗ネットを利用して受粉後の雌穂にカバーする事も有効とされています。

収穫前のとうもろこしがアワノメイガの被害に遭うととてもショックです。農薬使用を最小限に抑えながらも上手に防除できる方法を研究し続けたいと思います。新しい情報をみつけましたら、随時更新紹介します。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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