こんにちは ねこの静六です。
今日は公益事業セレクト・セクター SPDRファンド(XLU)について書きたいと思います。コロナショック以降アメリカ経済は急回復し、S&P500種指数は過去最高を更新し続けています。そのような中、いまだ回復に出遅れ感が見られるのが公益事業セレクト・セクター SPDRファンド(XLU)です。1998年12月から運用されている長寿ETFで今とても投資妙味があるなと私は思っています。
アメリカ経済の現状と一緒にXLUについて紹介したいと思います。
アメリカ経済はコロナショックから急回復
上のグラフはアメリカのコロナ患者の推移を示しています。コロナショックから1年が過ぎたアメリカでは2021年1月をピークに感染者数は減少しています。ただし、直近ではワクチン効果以上の速さでマスクの規制緩和が進んだり、気の緩みなどもあって少し増加傾向です。米疾病対策センター(CDC)が「これから大変なことになる」と再び気を引き締める様に警告を発しています。
上のグラフは世界のワクチン接種回数になります。アメリカのワクチン接種はかなり進んでいる事がわかります。ワクチン接種がやっと始まり、感染者数が過去最高を更新するような予断を許さない状況の日本と比べると随分と差がついてしまっています。
IMF「世界経済見通し」2021年4月の最新版ではアメリカの2021年のGDP成長率は6.4%と先進国ではトップになっています。2021年の日本は3.3%なので倍近い差がついています。アメリカのGDPは日本の4倍の規模なのでGDP差はますます拡がりそうです。
バイデン大統領のインフラ投資計画「アメリカン・ジョブズ・プラン」とは?
バイデン大統領はコロナ後の大型景気刺激策として「アメリカン・ジョブズ・プラン」という254兆円のインフラ投資を計画しています。この計画には自動車、半導体、通信、再生可能エネルギー、医薬品開発、住宅建設業者、道路や橋の建設などが含まれています。また、バイデン大統領は発電による二酸化炭素の純排出量は2035年までにゼロとし、その他の経済活動による二酸化炭素の純排出量は2050年までにゼロにする事を目指しています。
先日4月17日の日米首脳会談では脱炭素社会の実現に向けた国際社会の取り組みを日米主導で取り組む意向の表明がなされていました。
バイデン大統領の2035年までに発電による二酸化炭素の純排出量ゼロの目標は再生可能エネルギー関連のインフラ銘柄にとても強い追い風となりそうです。このようなメガトレンドとなりそうな再生可能エネルギー関連のインフラ銘柄を多く組み入れているETFが公益事業セレクト・セクター SPDRファンド(XLU)です。
公益事業セレクト・セクター SPDR ファンド(XLU)とは?
アメリカにはS&P500種指数と言う米国で時価総額の大きい主要500社で構成する有名な株価指数があります。
S&P500種指数は業種別で以下の11のセクターに分けられます。
- 情報技術
- ヘルスケア
- 一般消費財
- 通信
- 金融
- 資本財
- 生活必需品
- 公共事業
- 不動産
- 素材
- エネルギー
この中の公共事業セクターの属する企業にまとめて投資できるのが公益事業セレクト・セクター SPDR ファンド(XLU)になります。このXULは電気、水道、ガス、総合公益事業、独立系発電事業者・再生可能電力事業者等の企業から構成されています。
XLUに組み入れられている事業ごとの比率は以下の表の様になっていて電力が63.24%と半分以上を占めています。
事業の種類 | 組入比率 |
---|---|
電力 | 63.24% |
総合公益事業 | 30.24% |
水道 | 3.09% |
独立系発電事業者・エネルギー販売業者 | 2.04% |
ガス | 1.39% |
XLUの構成銘柄は?
2021年4月15日時点での構成銘柄TOP10は以下の様になります
銘柄名 | ティッカーシンボル | 組入比率 | 業種 |
ネクステラ・エナジー | NEE | 16.80 | 電力 |
デューク・エナジー | DUK | 8.20 | 電力 |
サザン・カンパニー | SO | 7.28 | 電力 |
ドミニオン・エナジー | D | 6.74 | 総合公益事業 |
エクセロン・コーポレーション | EXC | 4.78 | 電力 |
アメリカン・エレクトリック・パワー | AEP | 4.66 | 電力 |
センプラ・エナジー | SRE | 4.45 | 総合公益事業 |
エクセル・エナジー | XEL | 4.02 | 電力 |
パブリック・サービス・エレクトリック・アンド・ガス | PEG | 3.37 | 総合公益事業 |
エバーソース・エナジー | ES | 3.26 | 電力 |
この中で主だった3銘柄を簡単に紹介すると
ネクステラ・エナジー:再生可能エネルギーのアメリカにおける最大手
デューク・エナジー:デューク最大の風力発電プロジェクトが先月商業運転を開始(2021年3月16日)
ドミニオンエナジー:米国の新興洋上風力発電業界のリーダー
といった所です。ただし、全発電量における再生可能エネルギーによる発電が占める割合はまだまだ小さく、これから2035年に向かってどんどん加速していくことが予想できます。
またバイデン大統領は大西洋沿岸、メキシコ湾、太平洋海域での雇用創出のために風力エネルギーを推進しているという記事がWSJに載っていました。
再生可能エネルギー関連のインフラ投資面白そうじゃないですか?
XLUの株価は?
オレンジ色がXLU、青色がSPY(S&P500種指数)のETFチャートです。2020年2月のコロナショック直前のチャートがわざと重なるように期間を切り取って表示しています。S&P500種指数に連動するSPYはとっくにコロナショック前の高値を大きく超えていますが、XLUはまだコロナ前の水準まで戻れていません。
上のチャートはSPYとXLUをそれぞれ1999年1月に10000ドル投資し、2021年3月末までの期間得られた配当金を再投資しを継続したチャートです。先ほどと同じくオレンジ色がXLU、青色がSPYです。どちらのチャートも資産が4.5倍以上に増えているのでとても優秀だといえますが、コロナショック以降のXLUのチャートの戻りが悪く、直近ではアメリカ主要株の市場平均であるSPYに越されてしまっています。
これからが大きなトレンドになりそうなXLUがSPY(S&P500種指数)に現状ではまだ出遅れている所に私は投資妙味を感じずにいられません。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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