こんにちは ねこの静六です
今日は2019年12月4日に公布された改正薬機法について書きたいと思います。本日9月1日からは下記の2つがスタートしました。
- オンライン服薬指導(コロナ禍における0410対応ではない本来の取り組み)
- 服薬フォローの義務化 日本薬剤師会HP⇒薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き(第1.0版)を見ていない方は確認を!
これから先、改正薬機法で施行される調剤薬局に関わる主な内容としては下記のようなものがあります。
一つずつどのようにDX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れられるのか書いてみようと思います。
薬剤使用期間中の患者のフォローアップについてのDX
本日9月1日からスタートのこの取り組みですが、日本薬剤師会のマニュアルを見る限り、とても大変です。少なくとも私は管理薬剤師・在宅・地域ケア会議・多職種連携の取り組みなどに加えて厚生省が求める患者のフォローアップを真剣に取り組むには今の状況では無理があると思います。過去に薬歴の未で新聞にどこかの薬局が取りざたされた事もありますが、現場はサボっているのではなくたぶん必死です。時間がどうしても無いのです。人の力には限界があります。ですので、現場は積極的にITの力を取り入れる検討をした方が良いと思います。
患者フォローアップに役立つと思ったのは株式会社カケハシが提供するおくすり連絡帳アプリ「Pocket Musubi」です。
「Pocket Musubi」とは、服薬期間中のフォローを軸とした患者さんと薬局の関係づくりをサポートする、患者さん向けの“おくすり連絡帳アプリ”です。Pocket Musubiには、薬局から提供されるQRコードを介して服用薬データが入力されています。そのデータに基づいたフォローに必要な質問が、自動で患者さんのアプリに送信されます。質問に対する回答だけでなく、体温や食事の内容・薬を用法に従って飲んだかなど、患者さんが簡単な操作で記録可能です。薬剤師は、Pocket Musubiの管理画面を通じて患者さんのデータを確認しながら服薬中の状況を把握し、適切なフォローを行います。患者さんとの過剰なやり取りや極端な連絡不足を防ぎ、「必要な患者さんに」「最小限の業務負荷で」コミュニケーションを図ることで、患者満足を実現しながら現実的で継続可能な業務フロー構築を支援します。
株式会社カケハシのHPより引用
カケハシの調剤薬局向けクラウド電子薬歴「Musubi」も凄く良くて、タッチだけで薬歴がほとんど書けてしまいます。レセコンに元々入っている薬歴ソフトを使う事が多いと思いますが、圧倒的に早いです。展示会などで是非触れてみてください!レセコンと別に購入する事を考えてもかなり効率化に寄与します。
オンライン服薬指導のDXについて
オンライン服薬指導を行うにあたって準備したいDXとしては下記の2点は必須だと思います。
- オンライン服薬指導のツール
- 会計の仕組み
オンライン服薬指導のツール
服薬指導のツールはクラフトが採用を決めた診療と服薬指導・オンライン会計が一つのアプリで出来るメドレーのオンライン診療支援システム「CLINICS」があります。オンライン服薬指導の件数がまだまだ少なくコストをかけずにオンライン服薬指導の対応するのであれば、Zoom等のツールを導入して使い方を把握する必要があります。
会計のツール
先ほどの「CLINICS」であればオンラインクレジット決済できますが、会計が出来ないコミュニケーションツールでとりあえずオンライン服薬指導を導入する際にはアメリカの大手電子決済サービス「Square」が良いと思います。
Squareはレジ機能も十分有能なのですが、一番私が注目している機能が「Square請求書」で、メールを打つ感覚で請求書を作成でき、メールアドレス宛に送付し、請求書を受け取った患者さんは請求書でカード決済が出来ます。コストも合計1万円位までで始められ、その後のコストは決済時の手数料のみです。
服薬指導のオンライン化は薬局にとって薬の送付の手間の方が増え、時間がかかるのが正直な所だと私は思っています。ですので会計で振り込みとか代引きなどの手間や手数料をかけるよりも、オンライン決済を積極的に導入すべきだと考えています。
2021年8月の地域連携薬局・専門医療機関連携薬局のDXについて
地域連携薬局についてはまず、地域ケア会議・多職種連携会議に参加を始めることが大事です。地域ケア会議への参加のアプローチは薬剤師向け 地域ケア会議に参加しよう!に書きましたのでよければ覗いてあげてください。多職種連携会議は地域ケア会議に参加していれば情報や参加依頼などが入ってきます。そしてその連携のやり取りには自然とLINEなどのSNSが必要で、会社の携帯には多職種のLINEが20人以上になりました。
専門医療機関関連薬局については、今はケモの患者様は病院と薬局で「患者治療ノート」のやり取りを行っていますが、今後はカルテの情報共有といった事も進むと思います。
2022年12月1日包装等へのバーコード表示の義務化のDXについて
下記の図は医療用医薬品へのバーコードの表示義務についてです。
今、医療用医薬品の箱やPTPシートにバーコードが表示されてきています。これは製造側理由ではなく、厚生労働省主導で進めている事業です。何故進めているのかというのは
- 薬のトレーサビリティー(追跡調査)
- バーコード表示を活用した医薬品の照合は取り違え事故の防止等の有効な対策と考えている
という事が理由です。厚生労働省は医療用医薬品で重大な回収事例や副作用事例があった場合に迅速に回収・患者把握し、また、バーコードを利用する事で調剤過誤を減らそうとしています。その準備が整いつつある現状で、薬局はバーコードを利用する体制が整っているでしょうか?
バーコードや画像認証を利用したIT調剤監査支援機器は今や沢山あります。2022年には遅れないように導入したいですね。IT調剤監査支援機器については薬剤師向け。調剤薬局に調剤監査システムを導入する際に考えたい事に書いていますのでもしよろしければ覗いてみてください。
現場の薬剤師でないと本当に効率化できるDXはわからないこともあります。是非積極的に導入して、ゆとりを持って社会貢献できるようになればと思います。
今日もありがとうございました。
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