医療安全情報。最新の薬局ヒヤリ・ハット事例紹介。事例をうまく活用して地域連携薬局の施設基準を満たそう!

薬剤/医療安全/介護診療報酬

こんにちは ねこの静六です。

今日は公益財団法人日本医療機能評価機構から2021年1月26日に公開された最新のヒヤリ・ハット事例から気になった事例を紹介したいと思います。

イソコロナールRカプセル20mg(硝酸イソソルビド)と一硝酸イソソルビド錠20mg「サワイ」の別物間違い

事例の詳細
通常イソコロナールRカプセル20mg処方の患者への一硝酸イソソビルド錠20mgへの変更。
Rカプセルの持続性と発作予防使用の見落としで錠剤への変更をしようとしてしまった。
背景・要因
CP状、一般名からのGE変更の場合、成分での候補選択になる為、作用時間、適応については関与していない物が多い為、選択ミスが起こりやすい。
薬局における改善策
同一成分であっても、効能、適応等、違うものが多々、存在している為、自店において、取り扱い薬品の確認を再度徹底。
公益財団法人日本医療機能評価機構ヒヤリ・ハット事例収集事業より引用

原文のままあえて引用しています。文章的に気になる所が沢山あります。

投薬前発見の事例なので患者さんへの被害は無いようですが、長時間作用か短時間作用かの違いの前に、硝酸イソソルビド製剤(イソコロナールR)と、一硝酸イソソルビド製剤が異なる成分である事が理解出来ているのか文面では微妙なので心配です。

レセコン入力の際に元の処方薬からの変更で処理すれば、別成分の薬を選択するケースはほとんど無くなると思います。(レセコンの薬剤拡張検索機能をどこまでOKにするかなどはルール決めの必要はありますが)

BDマイクロファインプロとBDマイクロファインプラスの別物間違い

事例詳細
10/29『BDマイクロファインプロ』が処方され、前回8/20(『BDマイクロファインプラス』)と変更になっていると思っていた。ただ、前回の処方箋を確認したところ、実は前回から『BDマイクロファインプロ』に変更があったことが判明した。
背景・要因
・インスリン製剤の注射剤に関しては、当局には『BDマイクロファインプラス』しか在庫がなく、注射針といえば、『BDマイクロ  ファインプラス』と思い込んでいた。
・『BDマイクロファインプロ』は『BDマイクロファインプラス』の改良版であるが、その情報を事前に把握出来ていなかった。
公益財団法人日本医療機能評価機構ヒヤリ・ハット事例収集事業より引用

こちらも原文のまま引用しています。

  • BD マイクロファイン™ プロ 32G×4mm
  • BD マイクロファインプラス™ 32G×4mm
  • BD マイクロファインプラス™ 32G×6mm
  • BD マイクロファインプラス™ 31G×8mm
  • BD マイクロファインプラス™ 31G×5mm

規格違いが沢山ある事を理解して調剤時に目につく注意喚起をする事が必要ですね。

製品の大きさと保険償還単位は一致しない!知らないと何で?ってなります。

事例詳細
ハイドロサイトADジェントル7.5×7.5品が20枚で処方されていたが保険請求面積が250CM2であった。
請求面積が実際のサイズより小さいと知らなかったが、枚数と齟齬があるため疑義照会したところ1枚当たり25CM2だと確認ができ500CM2の処方に変更された。
背景・要因
知識不足により保険請求面積が実寸よりも小さいことを知らなかった。
公益財団法人日本医療機能評価機構ヒヤリ・ハット事例収集事業より引用

こちらも原文のまま引用しています。保険請求面積= 保険償還単位の合計の事だと思います。総面積で記載されているようですが詳細はわかりません。

創傷ケア製品の院外処方例

  • デュオアクティブCGF10cm×10cm(保険償還単位100㎠)
  • アクアセルフォーム10cm×10cm(保険償還単位49㎠)

同じ10cm×10cmの製品ですが製品全面が効果を発揮するデュオアクティブCGFに比べアクアセルフォームは皮膚へ固定するためだけの粘着層部分があるため保険償還単位が異なっています。製品ごとに保険償還単位は大きく異なりますので注意が必要です。

ConvaTecのHPより画像引用

デュオアクティブCGF(全面に効果がある)

ConvaTecのHPより画像引用

アクアセルフォーム(縁は皮膚に固定するための粘着層)

ライゾデグからゾルトファイの切り替えのドーズの疑義照会

事例の詳細
ライゾデグ配合注朝24単位からゾルトファイ配合注24ドーズへの切り替えにて、
トレシーバ換算の単位数を引き継いで処方されていた。
初回16ドーズで開始しないといけないため、疑義照会にて変更
背景・要因
ライゾデグ、ゾルトファイともに含まれるトレシーバの用量に合わせて処方されてしまったため、知識が不足している場合
今回の初期用量が問題ないと判断されがちだが、開始時の用量の情報など収集することで回避できた事例と思われる。
公益財団法人日本医療機能評価機構ヒヤリ・ハット事例収集事業より引用

こちらも原文のまま引用しています。

インスリンの配合剤が出始めてから調剤監査は特に慎重になった気がします。単位換算の前に初回量の制限など基本の使用方法をしっかり覚えておくべきと思います。

先人の経験を効果的に活かそう!

今回は4例紹介しましたが、まだまだ紹介したい事例が沢山あります。また記事を書きたいと思います。

ヒヤリ・ハットの事例収集事業に参加している薬局は沢山あると思います。せかっく集まったデータ活かして薬局の医療安全対策にも活用しましょう!

先日2021年1月21日に厚生労働省が発表した地域連携薬局の施設基準の一つ

医療安全対策に係る事業に参加し、その他の医療安全対策を講じていること。

という事項もマニュアルを作って終わるようなものでなく、本当に効果のある対策で対応できると思います。

今日もありがとうございました。

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