こんにちは ねこの静六です。
前回褥瘡に用いる薬剤について記事を書きました。今回はドレッシング材について書きたいと思います。病院勤務の経験のある薬剤師さんであれば褥瘡回診などで製品を見る機会も多かったと思います。しかし調剤薬局ではドレッシング材を扱う機会があまりありません
在宅医療へ足を踏み入れる様になってきてようやく高度医療機器や管理医療機器のドレッシング材を扱う機会が増えてきた感じでは無いでしょうか?有名なメーカーの製品と特長を載せましたので、在宅現場や医師からの相談の何かヒントになれば幸いです。
ドレッシング材はどのように選択するのか?
創面評価に基づき、創の状態に適する湿潤環境をドレッシング材で保持し、治癒環境を整備する。基本的には、創の深さ、浸出液、サイズ、炎症、感染 肉芽組織、壊死組織、ポケットの状態を観察して創アセスメントを行い、ドレッシング材を選択する。
創感染を認める場合には、全身的・局所的に感染制御を最優先にした処置を行う。壊死組織のある場合は外科的な切除以外に、自己融解によるデブリードマンを促進し、浸出液のドレナージを妨げない吸水性に優れるドレッシング材を選択する。また、創の状態に応じてドレッシング材の交換を適宜実施する。
感染が制御され良性肉芽に移行した創においては、浸出液と深さに注目する。ドレッシング材は、創の深さに応じて選択し、過剰な浸出液を吸収保持する機能を持つ種類を選択する。また、創収縮や浸出液の減少に伴い、交換時に肉芽組織や新生表皮を損傷しない保湿性のよい閉鎖性ドレッシング材に適宜変更する。ドレッシング材を選択するに当たり、ドレッシング材交換時の組織損傷回避や汚染に対するバリア機能などが重視されるが、患者の使用感やQOLを考慮することも大切である。
創の湿潤環境によるドレッシング剤の選択
以下よりドレッシング剤の主な素材とその特徴について書いていきます。
創面を閉鎖し創面に湿潤環境を形成するドレッシング材
ハイドロコロイドドレッシング製品
製品名:デュオアクティブ、テガダームハイドロコロイド 、レプリケア
乾燥した創を湿潤させるドレッシング材
ハイドロジェル製品
製品名:ニュージェル、イントラサイト、グラニュゲル、クリアサイト、ビューゲル
浸出液を吸収し保持するドレッシング材
アルギン酸塩製品
商品名:カルトスタット、ソーブサン、アルコダームなど
キチン製品
製品名:ベスキチン
ハイドロポリマー製品
製品名:ティエール
ハイドロファイバー製品
製品名:アクアセル
ポリウレタンフォーム製品
製品名:ハイドロサイト
褥瘡用ドレッシング材一覧
先ほどまでに挙げた高度管理医療機器・管理医療機器を院外処方するためには医療機関側が下記の条件を満たしている必要があります。
在宅療養指導管理料とは医科レセの以下のコードの管理料を示しています。
C100 退院前在宅療養指導管理料 | C108-2 在宅悪性腫瘍患者共同指導管理料 |
C101 在宅自己注射指導管理料 | C109 在宅寝たきり患者処置指導管理料 |
C101-2 在宅小児低血糖症患者指導管理料 | C110 在宅自己疼痛管理指導管理料 |
C101-3 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料 | C110-2 在宅振戦等刺激装置治療指導管理料 |
C102 在宅自己腹膜灌流指導管理料 | C110-3 在宅迷走神経電気刺激治療指導管理料 |
C102-2 在宅血液透析指導管理料 | C110-4 在宅仙骨神経刺激療法指導管理料 |
C103 在宅酸素療法指導管理料 | C111 在宅肺高血圧症患者指導管理料 |
C104 在宅中心静脈栄養法指導管理料 | C112 在宅気管切開患者指導管理料 |
C105 在宅成分栄養経管栄養法指導管理料 | C114 在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料 |
C105-2 在宅小児経管栄養法指導管理料 | C116 在宅植込型補助人工心臓(非拍動流型)指導管理料 |
C105-3 在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料 | C117 在宅経腸投薬指導管理料 |
C106 在宅自己導尿指導管理料 | C118 在宅腫瘍治療電場療法指導管理料 |
C107 在宅人工呼吸指導管理料 | C119 在宅経肛門的自己洗腸指導管理料 |
C107-2 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料 | C120 在宅中耳加圧療法指導管理料 |
C108 在宅悪性腫瘍等患者指導管理料 |
比較的有名な商品をまとめてみました。
- 全ての商品を網羅しているわけではありません
褥瘡治療の分野においてはベッドにかかる圧力のモニタリング精度の向上によるベッドの進化はあったように思いますが、10年位前に学会や研修でよく学んでいた頃と最近参加した研修とではそれほど大きく違いは無いように思います。一度学んでしまえば長く使える知識だと思います。
- 食事でたんぱく質をきちんと摂取する
- 創部の湿潤環境を適切にする
- 感染がある場合は感染治療を優先する
- 耐圧分散
といった部分が最重要である事は変わりありません。
今日もありがとうございました。
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