医療安全情報。薬局ヒヤリハット事例収集・分析事業の事例紹介

薬剤/医療安全/介護診療報酬

こんにちは ねこの静六です

薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業より2020年8月と9月のインシデントが公開されました。今回はその内容の中で併用禁忌事例と気になった事例を紹介したいと思います。

公開されたインシデントの併用禁忌事例

2020年8月9月のインシデントから併用禁忌事例を書きだしました。クラリス、イトリゾール、ベルソムラあたりが何度も登録されていました。薬剤併用禁忌だけでなく、疾患との禁忌も一部載せています。

公開されたインシデントの併用禁忌事例
  • クラリスとベルソムラ
  • パルモディアと胆石症
  • ワーファリンとフロリードゲル
  • トレシーバ(糖尿病)とセロクエル
  • ザルティア錠2.5mgと硝酸イソソルビドテープ40mg
  • ベルソムラ錠15mgとイトラコナゾールカプセル50mg
  • セララ25mgとアスパラカリウム300mg
  • ネイリンカプセル(PTINR確認必要)とワーファリン
  • アノーロエリプタと前立腺肥大
  • タムスロシンとぺレックス(前立腺肥大禁忌)
  • グラケーとワーファリン
  • デプロメールとテルネリン
  • アルダクトンとプログラフ
  • ベサコリン散と甲状腺機能亢進症
  • インデラルとマクサルト
  • ワーファリンとケアラム
  • イミグランと狭心症
  • ネオーラル錠とリバロ錠1
  • タンニン酸アルブミンとフェルム
  • プラザキサとイトリゾール
  • デプロメールとロゼレム
  • アザニン錠50mgとフェブリク
  • アザニン錠50mgとトピロリック
  • イフェクサーとアジレクト
  • シクロスポリン50mgファイザーとパルモディア
  • ミネブロ錠1.25mgとアルダクトンA25mg
  • ミルタザピンとエフピー
  • レザルタスHDとフロリードゲル
  • フロリードとイグザレルト
  • アメナリーフとリファンピシン
  • マヴィレット配合錠とアトルバスタチン
  • オーラップとクエチアピン(オーラップは副作用にQT延長の記載のある薬剤全て禁忌)
  • オーラップとレキサルティ(オーラップは副作用にQT延長の記載のある薬剤全て禁忌)
  • タンボコールとベタニス
  • ザルティアとニコランジル
  • オーラップとボノサップ
  • プロノンとベタニス
  • イムランとフェブリク

大体は覚えのある内容でしたが、薬剤を確認するだけでも復習になりました。

気になったインシデント事例と考察

2020年8月~9月のヒヤリハット事例の中から気になる事例について紹介したいと思います。

事例1
薬局内は混んでいたため、お薬手帳を見ながら前回と同じと思い、ピッキングをした。今回から「マグミット錠500mg」に変更になっていた。処方箋入力した事務員も、気づかずにマグミット錠330mgで入力したため(前回DO)、ピッキングシステムの警報音もならなかった。翌日、家族から医師から増量することを聞いていたとの電話があり、処方箋確認し、誤りに気付いた。330mgは全く飲んでいなかったため、500mg錠に変更した。
背景・要因
薬局内は、混んでいたため、なるべく早く調剤の完了を目的としたが、処方箋入力中はお薬手帳でピッキングした。そもそも再度確認しなければならなかったが、事務員の入力も誤ってて、見逃してしまったた。お薬手帳で集めたときは必ず同じことが起こりうるので、ピッキングシステムを必ず使う。違う薬剤師が、声確認すること。第三の目で見て確認すること。
公益財団法人日本医療機能評価機構HPより引用
私の考察

調剤監査支援システムはレセコン入力データと医薬品のバーコード又は画像を照合するシステム。レセコン入力が間違っていれば当然正常に機能しない。電子処方箋で自動的に処方内容が取り込めるようになれば、調剤監査支援システムはほぼ万全に近い機能を果たせると思う。現状私の薬局ではピッキングは必ず処方箋を見て行い、その後システムを使って照合するようにしている。

事例2
新患の在宅患者様。他院から当該処方箋発行病院へ患者様の診療情報提供書が送られており処方中だった薬剤の記載もあった。
それによると直近ではプレドニゾロン(1)を服用中とかかれており、診療情報提供を受け取った病院は同じ用法用量のプレドニゾロン(1)を処方。その後薬剤師が患者様の持参薬をチェックしたところ実際に服用されているのはプレドニン(5)と判明。居合わせた医師へ口頭で疑義照会し、プレドニゾロン(1)→プレドニン(5)へ変更となった
推定される要因
他院から送られた診療情報提供書の記載内容を信じてしまい、記載内容と実際の服用内容の違いに気づくのが遅れた。
公益財団法人日本医療機能評価機構HPより引用
私の考察

在宅の依頼を受けた際に診療情報提供書と看護サマリー、ケアマネからの情報提供書が合致しない事はかなり多い。看護サマリーは割と退院ギリギリに作成されている事が多いが、診療情報提供書は退院よりも結構早めに作られている事も多く、退院時の処方が反映されていない印象がある。現物をきちんと確認し、相違がある場合は病院へ確認せざるを得ない。

事例3
骨粗鬆症にてエビスタ錠を継続して服用している患者様にいつも通りエビスタが処方されていた。投薬時に患者家族から、患者本人の最近の状態として5分程度歩くと息切れを始めてしまうので、座って過ごしたり横になっていたり不動状態が長くなっている事を確認。不動状態が長い患者様のエビスタ服用は静脈血栓塞栓症の発生リスクを高める可能性があるため疑義照会。
エビスタを中止し、今回処方よりエディロールカプセル0.5への処方変更となる。
推定される要因
医師が患者様の現状を把握し切れていなかったためと考えられる。
公益財団法人日本医療機能評価機構HPより引用
私の考察

エビスタやビビアントは患者の体調が変わっても漫然と処方されている場合がある。私は在宅で訪問してほとんど寝たきりに近い状態になっているのににエビスタが処方されていたパターンや、整形の手術でしばらく動けない状態が予想される患者に中止指示が出ていなかったりといった経験がある。

以上となります。

前人の経験をしっかり自分に取り込んでスキルアップしましょう。

今日もありがとうございました。



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