こんにちは ねこの静六です。
2021年1月29日厚生労働省より地域連携薬局の要件に対する詳細通知がありました。とても文書量が多かったので、出来るだけリスト化して書き読みやすくしてみました。(それでも長めです)また、算定するための私なりの対策も記載しています。
- 構造設備基準
- 地域包括ケアシステムの構築に資する会議への参加
- 地域における医療機関に勤務する薬剤師等に対して随時報告及び連絡することができる体制
- 他の薬局に対して報告及び連絡することができる体制
- 地域の利用者に対し安定的に薬剤を供給するための調剤及び薬剤の販売業務体制の整備
- 在庫として保管する医薬品を必要な場合に他の薬局開設者の薬局に提供する体制
- 麻薬の調剤応需体制
- 無菌製剤処理を実施できる体制
- 医療安全対策(ヒヤリ・ハット事例収集、RMPの活用など)
- 継続して1年以上常勤として勤務している薬剤師の体制
- 地域包括ケアシステムに関する研修を修了し常勤として勤務している薬剤師の体制
- 地域包括ケアシステムに関する内容の研修の受講
- 地域の他の医療提供施設に対する医薬品の適正使用に関する情報提供
- 居宅等における調剤及び指導を行う体制
- 医療機器及び衛生材料を提供するための体制
- 地域連携薬局認定基準適合表で確認!
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構造設備基準
構造設備については以下の3つの条件を満たす必要があります
- 利用者が座って指導を受けることができる設備
- 相談の内容が漏えいしないよう配慮した設備
- 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造設備
今どきの薬局であれば条件を満たすのは難しくないと思います。
地域包括ケアシステムの構築に資する会議への参加
地域包括ケアシステムの構築に資する会議には以下の3つが少なくとも想定されると書かれています。
- 地域ケア会議
- サービス担当者会議
- 退院時カンファレンス
どれかの会議で良いのでかなり敷居はさがったと思います。サービス担当者会議などはケアマネさんにお願いしておけば呼んでもらえます!地域ケア会議なら地域包括支援センターにまず参加したいとお願いしてみてください。
地域における医療機関に勤務する薬剤師等に対して随時報告及び連絡することができる体制
認定申請又は認定更新申請の前月までの過去1年間において、下記に挙げるような実績を月平均 30 回以上を求める。また下記の対応が出来る事を薬局の利用者や関係機関に周知を行う事
- 服薬情報等提供料1(入院前対応の実績)
- 服薬情報等提供料2(外来の利用者に関して医療機関と情報共有を行った実績)
- 退院時共同指導料
- 居宅療養管理指導及び在宅患者訪問薬剤管理指導料
合計で月30回なので在宅を行ってる薬局ならクリアできそうです。仮に偏っていても絶対ダメでは無さそうです。
他の薬局に対して報告及び連絡することができる体制
- 他の薬局に対して報告及び連絡することができる体制としては例えば当該薬局を主たる薬局とする利用者が他の薬局を利用した際に、利用者からの同意の下で他の薬局からの求めに応じ、当該利用者の薬剤等の適正使用に必要となる情報を他の薬局に情報提供する場合が想定される。と書かれています。
これに関しては今までにも医療機関や薬局からの求めに応じて患者情報を提供する機会はあったはずです。その際に個人情報の保護の観点からどのような手段で確認して情報提供するかはどこの薬局でもマニュアルがあるはずですのでそれを用意、見直しておけば大丈夫だと思っています。
地域の利用者に対し安定的に薬剤を供給するための調剤及び薬剤の販売業務体制の整備
以下の2項目の体制整備が求められています。
- 開店時間外の相談に対応する体制
- 休日及び夜間の調剤応需体制
私の場合は2年前に開局時間に違いがある地域の薬局数店と連携しました。その当時は私の薬局は土曜日と夜に強かったので土曜日の患者さんや19時以降の患者さんを紹介してもらい、日曜日は他の薬局を紹介させていただく事にしていました。うまい事お互いの長所で埋め合わせるのが良いと思います。
これからは開局時間の柔軟な対応が出来ないと厳しいですね。
在庫として保管する医薬品を必要な場合に他の薬局開設者の薬局に提供する体制
以下の2点の整備が求められています。
- 地域の医薬品供給体制の確保のため、他の店舗への医薬品分譲が出来る体制の整備
- 当該薬局の在庫として保管する医薬品の情報を近隣薬局に提供する等による周知(望ましい)
分譲は問題ないと思います。在庫品目の開示も特に問題ないと思います。
麻薬の調剤応需体制
- 麻薬の調剤の求めがあった場合に、薬局の事情等により当該麻薬の調剤を断ることは認められないものであり、速やかに必要な麻薬を入手できる体制を構築しておくこと。(在庫として保管する品目数や種類は当該薬局の調剤の状況等に応じて薬局で判断しても差し支えない)
麻薬は返品出来ないので極力在庫は少なくしておきたいところです。地域に十分な貢献が出来る在庫を持つ為には結構なインセンティブが必要かと思います。厚労省はこの体制に関してどの程度の試算しているのか聞いてみたいです。
無菌製剤処理を実施できる体制
- 無菌製剤処理を実施できる体制を備えていることを求める
無菌製剤の体制は一人用であれば実質購入価格で30万円位の投資でそろうと思います。無菌製剤に対応できる薬局はまだ少ないので、自分の薬局で用意して他の薬局に使わせてあげたり、他薬局向けに無菌製剤の実技講習を実施すればかなり参加されると思います。そこから講習料をもらったりすればすぐに投資額の回収は出来ると思います。
医療安全対策(ヒヤリ・ハット事例収集、RMPの活用など)
医療安全対策としては下記の様な項目が挙げられていました。
- 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業への参加
- 製造販売業者による市販直後調査への協力
- 医薬品リスク管理計画(RMP)に基づく患者向け資料の活用
- PMDA メディナビ等を活用した服薬指導等の対応
地域支援体制加算を算定している薬局であれば条件は満たせていると思います。RMPについては添付文書には書かれていますが、内容までは知らない人もいらっしゃるかもしれません。PMDAはYouTubeで解説しています。病院・調剤薬局の薬剤師であればだれでも知っておくべき内容です。
継続して1年以上常勤として勤務している薬剤師の体制
- 「常勤」は、該薬局に週当たり 32 時間以上勤務、「継続して1年以上常勤として勤務」は、認定申請又は認定更新申請の前月までに継続して1年以上常勤として当該薬局に勤務している場合が該当するものであること。とされています。
地域包括ケアシステムに関する研修を修了し常勤として勤務している薬剤師の体制
- 健康サポート薬局の研修修了証の交付を受けた常勤の薬剤師が、本規定の基準を満たす者として取り扱うこととする。と書かれています。
健康サポート薬局の修了書がやっと陽の目を見る時が来ましたね。健康サポート薬局のe-ラーニングはとても時間がかかるので早めに取り組んだ方が良いと思います。実務研修は丸一日で終わります。
地域包括ケアシステムに関する内容の研修の受講
- 当該薬局に勤務する薬剤師に対して、地域包括ケアシステムに係る研修を毎年継続的に受講させること。当該研修については、外部研修が望ましいが、薬局開設者が従業員に対して自ら行う研修でも許容する。あらかじめ実施計画を作成するとともに、研修実施後は、日時、参加者等に係る記録を保存しておくこと。
管理薬剤師の方は薬局管理簿に毎年計画した研修を記入していると思います。そこに書けば良いと思います。
研修の例としては
- 各地区の多職種連携会議が主催する研修会(地域包括支援センターの方や地域の取りまとめ役の薬局に聞いてみてください)
- 地域ケア会議の見学
- 薬品卸さんから情報をもらう。(例えばアルフレッサさんならiPadを使って15分くらいで見れる動画の研修してくれます。私も薬局内研修の実績にかなり利用しました。)
簡単で実のある研修にしたいですね。
地域の他の医療提供施設に対する医薬品の適正使用に関する情報提供
- 地域連携薬局に地域の医薬品情報室としての役割を果たすことを求めたものであり、認定申請又は認定更新申請の前月までの過去1年間において情報提供した実績が必要。なお、このような情報提供は、単に一度提供したら役割を果たすものではなく必要に応じてその都度情報提供を行うとともに、他の医療提供施設から必要な情報提供の相談があればそれに応じること。と書かれています
私は主に処方箋を応需する医療機関に対して、自主回収の連絡、間違いやすい薬品などPMDAからの情報をプリントアウトして渡しています。うまくPMDAを利用すれば簡単にできると思います。
居宅等における調剤及び指導を行う体制
- 居宅療養管理指導・在宅訪問薬剤管理指導を認定申請又は認定更新申請の前月までの過去1年間において月平均2回以上実施した実績を求める。実績として計上する回数は居宅等を訪問して指導等を行った回数とするが、複数の利用者が入居している施設を訪問した場合は指導を行った人数にかかわら1回とすること。また、同一人物に対する同一日の訪問は、訪問回数にかかわらず1回とすること。当該実績を満たした後であっても、薬剤師が医療上必要と認める場合や利用者が希望する場合等にその都度行うことが求められること。とされています。
サコージュなどで同時に沢山の方の居宅療養管理指導を行っても1回とカウントされますがそれでも月2回はまずクリアできそうです。
医療機器及び衛生材料を提供するための体制
- 訪問診療を利用する者に対しては、高度管理医療機器又は特定保守管理医療機や衛生材料が必要となる場合も想定されるため、高度管理医療機器等の販売業の許可を受けることを求めるものである。また、訪問診療の利用者や、訪問診療に関わる医療機関等に対しても必要に応じて医療機器や衛生材料の提供を行うこと。と書かれています。
- ほとんどの調剤薬局では高度管理医療機器の販売業の許可は持っていらっしゃると思います。いずれは吸引やネブライザなども取り扱うようになりそうですね。私自身は血糖測定器関連、小児のネブライザ、透析、褥瘡関連の医療機器を今までに取り扱いました。納品に時間がかかるのがネックかなと思います。受注発注できる体制は用意しておきたいですね。
地域連携薬局認定基準適合表で確認!
地域連携薬局の要件はとても簡単とは言えませんが、困難なほどでも無いと思います。これから初めて試されていく新しい薬局の機能。取り組みが早い方がアドバンテージはかなり大きいと思います。多職種連携に最初から参加していて特に私はそのように感じています。
生き残りがかかった調剤薬局業界。知恵を絞ってうまく乗り切りたいですね。
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今日もありがとうございました。
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