地域連携のヒント。地域連携薬局に関する改正薬機法の検討開始。地域ケア会議には積極的に参加しよう!

在宅/居宅/地域連携

こんにちは ねこの静六です。

今日は今後改正薬機法で定義されるであろう地域連携薬局についてです。

今厚生労働省では薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会が行われています。

2020年10月21日で第3回が行われました。

この検討会の目的は

今後、少子高齢化が進行し、人口減少地域が増大することが予測される中で、人口構造の変化や地域の実情に応じた医薬品提供体制を確保することが求められる。また、薬剤師に関しては、薬学教育6年制課程が平成 18 年に開始されて以降、地域包括ケアシステムの一員としての薬剤師の対応、医療機関におけるチーム医療の進展、「患者のための薬局ビジョン」におけるかかりつけ薬剤師・薬局の推進、令和元年 12 月に公布された改正薬機法など、薬剤師に求められる役割が変化している。このような状況から、今後の薬剤師の養成や資質向上等に関する課題について検討する。

薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会開催要綱 より引用

とされています。

薬剤師の今後の需給はどのような予測なのでしょうか?

薬剤師の数、今後の需要と供給の見通しは?

第1回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会 資料2 薬剤師に関する基礎資料[PDF形式:4.8MB]より引用
第1回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会 資料4 薬剤師の需給調査[PDF形式:986KB]より引用
  • 薬局薬剤師>病院薬剤師
  • 今のままの業務が変わらなければ薬剤師は数年後以降供給過多が広がる

といった状況が予想されています。

調剤薬局に関しては今までの機能に追加で

  • 地域連携
  • 予防医療
  • 介護への積極参加
  • 専門医療機関連携薬局
  • 24時間対応

といった付加価値を提供しないと生き残れない時代になってきています。

そんな中、地域連携薬局の基準に関する改正薬機法の検討も始まっています。以下で紹介します。

地域連携薬局の基準案は?どんなものか?

2020年10月23日時点での地域連携薬局の基準案は以下の様になっています。

地域連携薬局の基準等(第 10 条の2関係)
① 改正法第2条の規定による改正後の法(以下「新法」という。)第6条の2第1項第1号の厚生労働省令で定める基準の考え方は、利用者(新法第6条の2第1項第1号に規定する利用者をいう。以下同じ。)のプライバシーに配慮した相談しやすい構造設備として、次のとおりとすること。
利用者が座って服薬指導等を受けることができる、間仕切り等で区切られた相談窓口等及び相談の内容が漏えいしないよう配慮した設備の設置
高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造
② 新法第6条の2第1項第2号の厚生労働省令で定める基準の考え方は、地域の他の病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設(以下「医療提供施設」という。)と情報を共有する体制として、次のとおりとすること。
地域包括ケアシステムの構築に資する会議への定期的な参加
地域の医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対し、利用者の薬剤等の使用情報について随時報告・連絡できる体制の整備
地域の医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対し、利用者の薬剤等の使用情報について報告・連絡を行った実績(一定程度の実績)
地域の他の薬局に対し、利用者の薬剤等の使用情報について報告・連絡できる体制の整備
③ 新法第6条の2第1項第3号の厚生労働省令で定める基準の考え方は、地域の他の医療提供施設と連携しつつ利用者に安定的に薬剤等を提供する体制として、次のとおりとすること。
開店時間(薬機則第1条第2項第3号に規定する開店時間をいう。以下同じ。)外の相談応需体制の整備
休日及び夜間の調剤応需体制の整備
地域の他の薬局への医薬品提供体制の整備
麻薬の調剤応需体制の整備
無菌製剤処理を実施できる体制の整備(他の薬局の無菌調剤室を利用して無菌製剤処理
を実施する体制を含む。)

○ 医療安全対策の実施
継続して1年以上勤務している常勤薬剤師の一定数以上の配置
地域包括ケアシステムに関する研修を修了した常勤薬剤師の一定数以上の配置
薬事に関する実務に従事する全ての薬剤師に対する、地域包括ケアシステムに関する研
修又はこれに準ずる研修の計画的な実施

○ 地域の他の医療提供施設に対する医薬品の適正使用に関する情報の提供実績
④ 新法第6条の2第1項第4号の厚生労働省令で定める基準の考え方は、在宅医療に必要な対応ができる体制として次のとおりとすること。
在宅医療に関する取組の実績(一定程度の実績)
高度管理医療機器等の販売業等の許可の取得並びに必要な医療機器及び衛生材料の提供体制
⑤ 地域連携薬局の認定に係る申請書には、薬局の名称及び所在地、申請者の欠格事由の有無等を記載することを定めるとともに、当該申請書には、申請者が新法第6条の4第2項において準用する同法第5条第3号ホ又はヘに該当するおそれがある者である場合は、当該申請者が麻薬、大麻、あへん若しくは覚醒剤の中毒者であるかないか又は当該申請者に係る精神の機能の障害に関する医師の診断書を添付しなければならないこと。
⑥ 新法第6条の2第2項第4号の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとすること。
〇 申請者が新法第5条第3号イからトまでに該当するか否かの別
〇 申請者が新法第 75 条第4項又は第5項の規定により地域連携薬局又は専門医療機関連携薬局(以下「地域連携薬局等」という。)の認定を取り消され、その取消しの日から3年を経過しているか否かの別

黄色ラインの部分は地域支援体制加算を算定できる薬局機能があれば問題なくクリアできると思います。

赤色ラインの

  • 他の薬局や医療機関への利用者の薬剤等の使用情報
  • 地域包括ケアシステムに関する研修を修了
  • 無菌製剤処理を実施できる体制の整備

といった部分をクリアするのは新たに薬局間での関係性を築く事だったり、各地域で開催されている多職種連携会議(名称は地域で多少異なるかもしれません)での研修にて研修を証明してもらう仕組みを構築するなどの準備が必要になってきそうです。

どちらにしても、地域連携無は薬局の機能としては必ず必要となってきそうです。今ほとんど外来のみでしのげていても今後は専門医療機関連携又は地域連携の機能を付加するかどちらかが必要になってきます。

地域連携に関する付加機能は大変では無いですが人間関係の構築が必要ですので時間が結構かかります。少しでも早めに動きだしたいですね。

今日もありがとうございました。

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